沖澤のどかさんブザンソンを制す|日本の女性指揮者の快挙です!

出典:毎日新聞/沖澤のどか

♬ 日本の女性指揮者、ブザンソンを制す 指揮者と云えば小沢征爾、小沢と云えばブザンソンです。 ブソンサンはフランス東部の町、ここで二年に一度開かれる国際指揮者コンクールは若手指揮者の登竜門として知られいます。日本が誇る世界の小沢はこのブザンソンから世に出ましたが、そのブザンソンを、今度は日本女性が見事に制しました。沖澤のどかさん、青森県三沢市出身でまだ32歳の若手指揮者です。このコンクールでは小沢征爾以来9人の日本人指揮者が優勝しており沖澤さんは10人目、ビッグニュースです。

9月21日、ファイナリスト三人の最後に指揮台に立った沖澤さんは、表情豊かに鮮やかなタクトを披露、満場を沸かせました。昨年の東京国際音楽コンクールで優勝している実力派で、この日も際立った指揮振りが鮮やかで、フランスと中国からのライバルを見事抑えて最も優れた指揮者に選ばれたのですから凄い!

♬ 沖澤のどかさんは幼少からピアノやチェロを習うなど音楽畑に育ち、大学は東京芸大、ここでは指揮科へ進んで修士課程を終えています。日本では松尾葉子、尾髙忠明、C・エーヴァルトなどに師事して、昨年優勝した東京国際音楽コンクールではその51年の歴史で初めて女性指揮者が優勝したという事件《、、》になりました。沖澤さんはさらにドイツ・ベルリンの音楽大学で指揮法を学んでいます。

指揮者では巨匠と言われるニッカルド・ムーティーに傾倒、リハーサルの現場で指揮法のアヤを学んで大いに啓発されたそうです。「男っぽくなることはないよ」とアドバイスされた、と沖澤さん。

♬ さて、ブサンソン。この日の課題曲はフランスの作曲家エリック・タンギが今回のコンクールのために作曲した管弦楽曲とリヒャルト・シュトラウスの交響詩「死と変容」でした。シュトラウスでは沖澤さんの情感溢れる細やかなタクトが冴え、クライマックスでは圧巻の指揮で聴衆を魅了しました。聴衆とオーケストラがそれぞれ選ぶ「聴衆賞」と「オーケストラ賞」を総なめしたことから、この日の彼女の指揮の素晴らしさが覗えます。

「オーケストラものりがよくてよかったです。まだ実感はありませんが、大きな賞に恥じないように気を引き締めて頑張ります」と沖澤さん。小沢征爾以来の優勝者の系譜に名前が乗ったことについて、「とても重たく感じています。こんな大きな賞に恥じないように、これから気を引き締めて頑張ります」、と。

指揮法で師事した松尾葉子(82年)はじめ佐渡裕(89年)、山田和樹(2009年)などそうそうたる先輩たちがこのコンクールで優勝しているから、確かにずしんとくる重さでしょうね。華のブサンソンを制し世界を目指す沖澤のどかさん、頑張れ!

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