華やか、即位礼正殿の儀
しとしと降っていた雨が肝心の正殿の儀が行われる直前に上がり虹が出た。瑞祥である。令和が明けていざ天皇即位の行事、「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」だ。招かれた2000人もの外国要人がこの世紀の行事の一部始終を見守り。世界各地から集ったメディが発信する特電は世界に散った。
父君の平成天皇が退位され上皇となられた5月1日、後を襲って即位された天皇陛下が、今日10月22日、「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」で正式に即位をされたのだが、「高御座(たかみくら)」と「御帳台(みちょうだい)」など古風ながら威厳のある設えに古来の伝統儀式の床しい様(さま)が窺われてとても印象的だった。
儀式の様(さま)は外信経由で世界に流れ、CNNは「長年にわたって、伝統が受け継がれていることを示すものだ」と伝え、フランス、韓国、英国など世界各地からの特派員たちもそれぞれ儀式の厳粛さと伝統の意義を本国に発信した。
とくに、ロシア国営テレビが東京特派員のリポートを交えながら「儀式は長年の伝統に基づき、国内外からおよそ2000人が参列して行われたこと」や、「皇居・宮殿の『松の間』には京都から解体されて運ばれてきた高さ6メートル50センチの台座が設けられ、天皇陛下が即位を宣言したあと、万歳の三唱が行われた」などと、儀式の流れを細々(こまごま)と伝えていたのが印象的だった。
午後7時20分すぎ、両陛下は宮殿の「竹の間」での「饗宴の儀」に臨まれた。これは、国事行為として行われる「即位の礼」の儀式の1つで、合わせて4回行われる。1回目の22日は「即位礼正殿の儀」に参列した各國元首や王族など、およそ400人が招待された。
饗宴会場の「豊明殿(ほうめいでん)」では、午後9時すぎ、両陛下がメインテーブルの中央に着座、上皇さまの即位に供されたものとほぼ同じ和食、まつたけやくりなど秋の味覚も取り入れた合わせて9品の魅力的な馳走でで賓客たちを労(ねぎら)われた。
「春秋の間」では、食事のあと食後酒やコーヒーなどが供され、賓客たちは和やかな歓談のひと時を過ごした。「饗宴の儀」は午後11時20分終わり、両陛下は午後11時44分ごろ、車で皇居を離れお住まいの赤坂御所に戻られ、22日の全ての日程を済まされた。
このたびは世界各國から多くの貴賓が招かれ、それぞれ国柄の衣裳を纏い、一連の行事に参列した。
イギリスから招かれたチャールズ皇太子はえんび服に勲章を身につけていて車を降りたあとゆったりと歩いて宮殿に向かわれた。スペインのフェリペ国王の傍らにはピンクのロングドレスにティアラをあしらったレティシア王妃が寄り添い、報道陣のカメラに笑顔で立ち止まり、会釈して宮殿に入って歩まれた。
また、紫色のロングドレス姿のアメリカのチャオ運輸長官は、報道陣に笑顔で会釈、うなずきながら宮殿へ向かった。
天皇ご即位の儀式はこれで滞りなく済み、宮城に静けさが戻った。その間、とくに記憶に残るのは「即位礼正殿の儀」で述べられた天皇陛下の宣明のお言葉だ。「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながらつとめを果たす」と述べられ、陛下はご公務に取り組み、国民に向き合ってたいとの思ひを改めて強調された。