デジタルの世界が急速にこの世を変えたことについて書いてきましたが、今日は具体的に何が変わったかを話していきましょう。
今回はフィルムについてです。
カメラってフィルムがあるの知ってました?
⭐️ なんかアナログの時代から生きてきた人たちにとっては、なんて質問なんだって思うかもしれません。
でもこれさえも知らない人が現代社会には結構いるのです。
物心がついてからずっとスマホのようなものに親しんできた人にとっては、写真はただシャッターを触れば映るものだと思っているとしても不思議ではありません。
⭐️ 写真なんてシャッターを切ればうつるじゃない、、なんて思っているんでしょうね。
スマホなんかで撮っていると、ピントを合わせる必要もなく、露出を合わせる必要もなく、何枚でも撮れてしまいます。
写真を撮ることなんて「ナンテコトナイ」と思っている方が多いのではないのではないでしょうか。
アナログカメラがどれほど難しいものであるか、、ということを何回かに分けて話してみたいと思います。
今回は、アナログカメラは限られた枚数しか撮影できないという点に絞ってみようと思います。
一眼レフのフィルムはMAXで36枚しかないのです!
⭐️ そうなんです! 一眼レフだと、1つのフィルムでわずか36枚しか撮れなかったのです。
中型だと1つのフィルムで撮れる写真は16,12,10 といった感じです。
大型だと1つのフィルムで撮れる写真はたった1つです。
スマホのように何百枚も撮るなんてアナログのカメラには到底できることではなかったのです。
これは全くの別世界だと言っていいでしょう!
⭐️ プロの場合、36枚の中にすべての魂をぶつけます。
例えば、ファッションの撮影だと、1つの服に対して使用するフィルムの数は2〜4個ほどだと思います。
カタログのような簡単な撮影だと、せいぜい1〜2個のフィルムだと思います。クリエイティブな撮影だと多くてもフィルムは4つほどでしょうか。
4つだとすると、36×4 で144枚の写真ということになります。
わずかこれだけの写真の中で勝負をしなくてはならないのです。
⭐️ なんでたったの4つなの? って思う方もいるでしょう。
でもそこにはいろいろと考えなくてはならない要素があるのです。
撮影にはいろいろな要素があるの知ってますか?
⭐️ プロの世界ではただ自分の好きなように撮ればいい、というわけではありません。
1つの撮影には通常何百万円というお金がかかっています。
ざっと見積もっても、スタジオ経費、機材レンタル、現像代、ロケバス、服のレンタル代、スタイリスト、ヘアーメイク、モデル、そして、もちろんカメラマンのギャラもあります。
まだまだあります、広告などの場合はデザイナーやコーディネーター、備品、食事、などいくらでも出てきます。
⭐️ 限られた時間内にプロらしい仕事をしなくてはなりません。
時間と経費の面を考えると、1つの被写体につぎ込めるフィルムの数は少なければ少ないほどクライアントは喜ぶのです。
少ない本数で最高の結果を出せば自分の評価は上がります。
基本的な経費はデジタルの世界になった今でも変わりません。
大きく変わったのは経費の部分ですが、これはまた別の記事に書こうと思います。
アナログの世界は想像以上に大変なのです!
⭐️ このことを私は声を大にして言いたいと思います。
アナログの世界は想像以上に大変だったのです。
だから、プロという存在は意味があったのです。