🇺🇸アメリカではどの大学にも写真学科はある、しかし、、、
アメリカに写真の勉強に行きたいと思っている方は結構いるのではないでしょうか。デジタルの世界に変貌した今の世の中、写真で身を立てるのは決して不可能ではありません。写真家として、フリーランスでなくとも、いろいろな会社の専属であったり、ジャーナリズムからコマーシャル、ファッション、アートに至るまでその活躍は多岐にわたっています。中には写真の画像編集や加工などのテクニカル的な分野に進むものもいます。写真家としてではなくとも様々な分野があります。雑誌関係のエディターであったり、フォトコーディネーターであったり、仕事は大きな広がりを見せています。
ここに紹介するのは幾つかある統計に私の考えを混ぜたものです。驚くことに、アメリカでは大体どの大学にも写真を学べる学科があります。ただ私の知っている限り、ほとんどはいわゆるアートとしての授業が多いと思います。自分で好きな写真を撮ってきて、クラスでみんなで論じ合う、、というような感じです。
仕事に直接結びつくテクニカル的なこと(コマーシャルフォト)を教えてくれる学校は非常に少ないと言えます。テクニカル的なこととは、例えばスタジオでの様々なライティングや後処理のことを言います。広告に関する限りそのようなことが非常に重要になってくるのですが、そういう肝心なところをじっくり教えてくれる学校は少ないと思います。 幾つか検証してみましょう!
📷一般的な写真学校ランキング
私の批評の中で、コマーシャルフォトがどの程度学べるかをよく論じていますが、お金がたくさん絡んでいるのはやはりコマーシャルの世界です。コマーシャルの世界で成功しない限り大きな収入にはならないでしょう。
所詮学校レベルでプロでも通用するライティングをマスターするのはなかなか難しいと言えます。どの程度であるにしろ、大学での授業には限界があります。どこに出しても恥ずかしくない、自分なりのスタジオライティングを確立するには膨大な時間と努力が必要だということをお忘れなく!
#1 School of the Art Institute of Chicago
この学校はアートの世界では大変有名な学校です。シカゴという大都市も背景にしていますし、学べることは多いと思います。私の友人にもここを卒業した優秀なファッションデザイナーがいます。 ただ、写真に関してはどの程度コマーシャルに寄ったことを学べるのかは未知数です。カリキュラムを見てみましたが、スタジオライティングなどの授業はあるようですが、基本的なレベルだと思います。
#2 Rochester Institute of Technology
Rochesterはニューヨーク州の北の端、ニューヨークからだと車で8〜9時間はかかるでしょう。オンタリオ湖を挟んで対岸はカナダです。どうしてこの街に写真の学校があるかと考えると不思議ですね。実はかの有名なKODAKがこの街に位置していることに由来しています。KODAKと言えば100年にもわたりフィルム会社として絶対的な存在でした。ただ、2000年を過ぎてから急激に世の中がデジタルにシフトしたことに判断を誤りました。急激に業績は悪化し、2012に破産に追い込まれました。現在も会社は存在しますが、規模はかなり小さくなっています。
ここの卒業生はたくさんニューヨークに出て行きます。仕事のあるところに必然的に行くということでしょうか。カリキュラムの内容も充実していると思います。
余談ですが、私はRochesterには何度でも訪れています。私の行ったCornell UniversityはRochesterの南2時間ほどのところにあります。また、私の大学院の論文(建築デザイン)のテーマはRochesterのダウンタウンの再開発でした。でも今考えてみると、自分にはRITの方が楽しかったかもしれませんね。
#3 Yale University
Yaleは有名なアイビーリーグの大学ですがアートや写真の学校としても有名です。どのランキングにも出ていますが、おそらくかなりアート思考のカリキュラムだと思います。もちろんアートの写真をやってコマーシャルができないというわけではありませんが、お金のあるのはコマーシャルの分野です。アート的な写真の勉強でどれだけ実社会で儲けられるかは未知数と言わざるをえません。
#4 California Institute of the Arts
ここはあのWalt Disneyが作った学校として有名です。実際にどの程度のプロフェッショナルな授業があるかはカリキュラムを見ただけでは分かりません。おそらく込み入ったライティングなどの授業はないでしょう。どの学校でもその辺は限界があるのですが、、、。
ここの卒業生はDisney関係の企業と大きなパイプができると言われているのですが、ある程度は事実でしょう。もちろん個人の能力次第ですが、、。
#5 Rhode Island School of Design
この大学はニューヨークの北250kmのところにあるProvidenceという街にあります。ボストンに行く途中ですね。とても綺麗な街です。ここにはアイビーリーグのBrown Universityもあります。
アートスクールとしてはとても有名で、卒業生はかなりニューヨークにも出て行きます。私の知り合いにもここを出たファッションフォトグラファーがいました。カリキュラムもしっかりしていますし、充実した学生生活を送れるのではないでしょうか。
📷私のおすすめの写真学校!
今から2つの学校を紹介したいと思います。なぜこの2つの学校が一般的な「ベストな写真学校ランキング」の中で上位に入っていないのか分かりませんが、私が評判などを実際に聞いてきた経験から一番に推薦したいと思います。
🔴 ArtCenter College of Design
私が知っている限り西海岸で一番はこの学校だと思います。私はコーネル大学の大学院を卒業した後、ArtCenterに編入し、インテリアデザインの勉強を一学期だけしました。結局のところ、この学校で写真の生徒に触発され、写真に目覚め、ニューヨークに帰るはめになってしまったのですが、、、。
この学校は入るのも大変難しく、世間的な評判も抜きん出ていると思います。ここから巣立った有名な写真家はたくさんいます。写真のみならず、カーデザインや広告デザインなど全ての学部が非常に有名です。
この学校はコマーシャルフォトを教えてくれる数少ない学校の1つです。設備もカリキュラムも優れています。私は写真の方に方向転換すると決めた時、ここの写真学部に入り直そうかとも思ったのですが、、卒業までに8学期を終了する必要があり、金銭的な余裕がありませんでした。よってニューヨークに戻り、実際の写真の業界で学ぼうと考えたわけです。
この学校はかなりレベルの高い教育をするので、卒業まで行かなくても実際に業界で働き出す若者が多いのも事実です。この学校を出ると世間的な評価はかなり高いことを保証します。どこに行っても恥ずかしくありません。成功している写真家やデザイナーは世界中にいます。この学校に行って後悔をすることはまずないでしょう。
🔴 School of Visual Arts
東海岸での一番はこの学校でしょう。ArtCenterと同じく大都市の業界のど真ん中に位置しています。SVAはマンハッタンの23stに位置しており、まさにニューヨークの写真業界のど真ん中にあります。実際の業界のど真ん中にいるということがどれほど重要なことか、、お分かりですか? 私のスタジオから歩いてわずか5分の距離です。
様々な業界のシーンにいつでも顔を突っ込むことができるわけです。仕事のオファーがあるかもしれません。この世界、どこにチャンスがあるかわからないのです。フリーで有名フォトグラファーのアシスタントをすることもできるでしょう。ニューヨークは間違いなく世界で最もエキサイティングな大都会だと思います。世界で活躍できたものだけが集まる街、、、と言えるでしょう。そういう環境の中で学校に行くなんて、素晴らしいと思いませんか?
ここでの学生生活はめちゃくちゃ楽しいと思いますよ!