f値とシャッタースピードの関係が一番大事!
⭐️これをじっくり分かっている人はそうはいないと思います。いろいろな専門書にも解説してありますが、よくわからいという方は多いと思います。ましてや、デジタルの世界になって、押せば間違いなく写真が撮れる現代社会においてf値やシャッタースピードなんてなぜ知る必要なのかと思っている方もいるでしょう。
でもf値とシャッタースピードの相関関係は写真の一番根幹の部分です。これを見つめ直してみることは写真に対する見方が間違いなく変わってくることを意味します。いくらデジタルになったとはいえ、スマホのカメラだってこの原理で動いているのです。
あまりこういう説明の仕方をしているところはないと思いますが、私なりに説明してみたいと思います。
f値って何?
f値とはズバリこういう意味です。
F値 (エフち、英: F-number)とは、レンズの焦点距離を有効口径で割った値であり、レンズの明るさを示す指標として用いられる。F値が小さいほどレンズは明るく(=レンズを通る光量が多い)、シャッター速度を速くできる。
F値より引用
これだけでは分からない方も多いでしょう。必要なところだけ覚えましょう。
アナログのフィルムのカメラのレンズには 1 1.4 2.0 2.8 4 5.6 8 11 16 などの数字が書いてあると思います。細かい原理を覚える必要はないと思いますが、一番大事な部分だけを説明します。
要するに、f値が1つ変わると、光の量が倍になるか半分になるということです。
f値は数字が小さいほど明るくなります。レンズの口径も大きくなり当然値段も高くなります。
例えば、f4を例にとってみると、f2.8は2倍の明るさ、2倍の光の量ということになります。f5.6は半分の明るさ、半分の光の量ということになります。
⭐️この原理でいくとf2.0はf4と比べると2絞り違うわけなので、4倍の明るさ、4倍の光の量ということになります。
この倍々の法則がf値ということです。
3絞り違うと2×2×2で8倍の光の量か1/8の光の量になります。1つ絞りが変わると光の量が2倍か1/2になるということを覚えてください。この原理が写真の全てを構成します。
例えば、真っ暗な部屋でライト1つで何かを撮影したとします。ライトを2つにすると1絞り分f値が大きくなるということです。
シャッタースピードも同じ原理です。
⭐️こちらの方が少し分かりやすいのではと思います。1つシャッタースピードが変わると光の量が2倍か1/2になるということです。
シャッタースピードは 1 1/2 1/4 1/8 1/15 1/30 1/60 1/125 1/250 のようになっていると思いますが、みんな一絞りの違いということになります。f値と同じです。
シャッタースピードが早くなるにつれて半分になっているのが分かると思います。これは見て分かりやすいですね。半分になるということは光の量も半分になるということです。
f値とシャッタースピードの関係
⭐️ここからが大事なところです。もしある被写体を撮影しようとしたときのf値とシャッタースピードが f4 で 1/60 だったとします。もし f2.8 にしたとするとシャッタースピードはいくらにすればいいでしょうか。
f4からf2.8にしたということはレンズから入る光の量を2倍に増やしたということです。同じ露出、つまり同じ光の量にするためにはシャッタースピードを早くして入ってくる光の量を少なくしなくてはなりません。つまりシャッタースピードは光の量を半分にするために1/125にしなくてはならないということです。正解はf2.8で1/125ということです。
⭐️逆に、もう少し全体にピントが合った写真にしたい場合、どうすればいいでしょうか。例えば、f8にしたい場合、f4からだと二絞り絞ったということになります。つまり二絞り暗くしたということになります。f値は絞れば絞るほど写真全体にピントが合ってきます。
よって同じ光量にするためにはシャッタースピードを遅くしてたくさん光を取り込まなければなりません。つまり二絞りシャッタースピードを遅くするということになります。よってシャッタースピードは1/15になります。正解はf8で1/15ということになります。
⭐️⭐️写真は基本的にこのような理論から成り立っています。デジタルのオートで撮っているのであれば全く不必要な情報かもしれませんが、最新のカメラであっても基本的にこの原理で全ては成り立っています。
特にマニュアルでやってみたいという方はこの原理を理解することはMUSTです。慣れてくると大体の露出が分かるとあとは自由にf値かシャッタースピードをあやつって自分好みの写真を作っていきます。これが写真の醍醐味というものです。
適正露出よりも暗い写真にしたり、明るめの写真にしたり、慣れてくるといちいち露出計とにらめっこということにはなりません。f値やシャッタースピードをマニュアルであやつっていくというのは実に楽しいものです。
ぜひマニュアル撮影にも挑戦してください。