リチウムイオン電池の生みの親吉野彰さんがついにノーベル賞を受賞!

吉野さんの快挙、ノーベル賞受賞(化学)

👏リチュームで電池と云へば、あのボタン電池のことかと勘違い人は筆者ばかりではなかった。だから、リチュームでもこれはリチュームイオン電池で、その発明者が今年のノーベル化学賞を受賞するかも知れない、受賞者はどうやら日本人だとの速報が流れて巷は大いに涌いた。やがてストックホルムからの詳報を伝えられ、号外に撒かれて街中はひとびとが群がった。

スマホからPC、自動車からはやぶさ2まで、いまや汎用性が果てなく広がっているリチュームイオン電池の開発者、吉野彰さんに遂にノーベルの白羽が立った、これは朗報である。島津製作所の田中耕一さんに次いで、民間企業の研究室から華のノーベル賞受賞者が出た。日本人は占めて27人、アジアで突出したノーベル賞受賞国、日本の面目躍如だ。

吉野彰さん71歳、旭化成の栄誉フェローで名城大学教授、またしても京都大学出身だ。27人中10人が京大出身だということに何に意味もないが、風土としてこの旧帝大には研究心涵養の因子があるのではないかと思わせるフシがある。何はともあれ、湯川さん以来の伝統が見事生きているのは見事だ。

👏さて、吉野さんのノーベル賞受賞については専門的な切り口からの情報や分析がすでに流布しているが、同氏の人柄や生活環境とくにご家庭での振る舞いその他はあまり語られていない。本稿ではその辺りに光を当てて、吉野さんの来し方をご紹介したい。

吉野彰さん。受賞の記者会見などで見せる吉野さんの笑顔ははち切れるようだ。語らせれば71歳を感じさせない滑舌、理路整然、淀むところがない。が、記者会見で同席した久美子夫人は、吉野さんは家の中では寡黙だという。「口数少なくテレビを見てごろごろしている」と打ち明ける。研究室で見せるてきぱき感は、家庭では嘘のようだ、と。「そんな雰囲気は家の中ではまったく見せません。」

久美子夫人は「研究者ではなくサラリーマンと結婚した気持だった」、と。家事も一切せず寡黙な吉野さんがノーベル賞を取るなどは「つゆほども思わなかった」という夫人の告白は、この稀有な研究者の心的な起伏の妙を想像させて余りある。

愛嬢の裕子さんは、自分の父親が長年ノーベル賞候補と噂されてきたことを「本当かな」と思ったと云う。吉野さんが家庭で見せる素顔を彷彿させる話しだ。

👏化学に興味を持つ切っ掛けが、小学校時代の担任が勧めてくれた一冊の本だったこと、それがノーベル賞につながった理由を問われて吉野さんは、満面に笑みを湛えてこう答えた。

「ローソクがなぜ燃えるのか、なぜ炎が黄色いのかなど、化学は面白いと思った。そこから、柔軟な考えと執念深い取り組みが絶対必要だと思った。」
「さらにもうひとつ、(製品が)必要とされる日がくるかを見通し、未来を読みながら研究を進めることが大切だ。」
「間違いなくゴールがあると思えば、少しぐらいの苦労があってもやり遂げられる。」

吉野彰さん。あなたの発明は地球温暖化を食い止めすらもする、ノーベル賞以上の評価に値する偉業です。

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