🇺🇸アメリカのゲイコミュニティはどこがすごい？

正直なところ、日本にいた学生の頃はゲイというと何かネガティブな印象しか持っていませんでした。なかなかすんなりと受け入れることができない日本の体質があると思います。しかし、アメリカに行って、その考えは根本的に覆えされてしまいました。彼らの才能とバイタリティにはただただ驚くばかりです。アメリカを語るのにゲイコミュニティのことを抜きにしては語れません。

一般的にゲイの人々のことは LGBT (lesbian, gay, bisexual, transgender) と言われます。いろいろな統計が出ていますが、アメリカの人口の４パーセントほどがそうだとも言われています。二十五人に一人という感じでしょうか。でも、実際に生活してみるとそのパーセンテージはもっと多いように思えます。

特に私が関係していた写真の業界では半分以上の人がゲイではないかと思わされるような感じでした。フォトグラファーはもちろんのこと、メイクアップアーチスト、ヘアー、スタイリスト、アートディレクター、ファッションデザイナー、雑誌の編集者、などなど自分の周りにいるのはほとんどゲイの人たちでした。

アートの分野では特に多いように思えます。彼らのクリエイティビティの素晴らしさは大変なものです。アートの分野だけでなくゲイの人たちの各分野での影響力の凄さは想像を絶する感じです。ゲイの社会を抜きにして今のアメリカを語ることはできません。

LGBTに関しては様々な統計が出ていますが、私は経験に基づいた事柄を紹介したいと思います。

⭐ゲイコミュニティの存在を初めて知ったのはコーネル大学！

私が最初にゲイコミュニティのことを知ったのは、初めて留学をしたコーネル大学でのことでした。日本でのゲイに対する知識はほとんど皆無だったと言っていいでしょう。

ある日の夜のこと、いつも利用している大学のメインのカフェテリアに行ってみると、ある種のパーティーをやっていました。何か違うな、、、と思ったのですが、、最初はあまり理解ができませんでした。よく見てみると、ダンスをしているのは同性同士でした。横断幕には確か Cornell University Gay Community とか書いてあったと思います。こういう世界があるんだということを知ったのはその時が初めてでした。

その後、ニューヨークに出て写真家として修行を初めてからは、知り合う人間の大半はゲイの人ではなかったかと思います。ある時期ルームメートもゲイの友人でした。彼らの自由奔放な生活は実に衝撃的でした。今後何回かにわたってニューヨークのゲイコミュニティについて述べたいと思います。彼らの生き方は実にユニークで、この大都会ニューヨークにはなくてはならない存在なんですね。

⚡️ニューヨークに移ってしばらくして、私は偶然世界的に有名なファッションイラストレーターの男と知り合うこととなります。おそらく当時世界で一番有名なイラストレーターではなかったでしょうか。

私がある写真家のアシスタントをしている時、偶然立ち寄った彼のアトリエで衝撃的な経験をしたのを覚えています。ラテン系の顔立ちで、ハンサム。とてつもなく綺麗なスーパーモデルを前にして、彼は黙々とイラストレーションを書いていました。軽快な音楽に乗って、一種独特の世界がそこにはありました。今まで体験したことのない雰囲気でした。

彼は空想でイラストを書くわけではなく、実際のモデルに様々な服を着せて書くというのをスタイルとしていたのです。彼のモデルになったことによって、スーパーモデルや女優へ駆け上がったモデルは数知れません。彼女たちもそれを分かって時間を割いているのです。彼の人脈はニューヨークのトップの連中ばかりです。

彼の周りには、ニューヨークのゲイ社会の著名な面々が絶えず集合していました。彼らと親交を深めることによって、ニューヨークでのゲイコミュニティの真髄に触れることができたのは間違いありません。彼らの感性はずば抜けています。誰にも真似のできない世界を作り上げていることに私は感銘を受けました。彼らのアートに関する考え方が私の作品に多大の影響を与えたことはいうまでもありません。

私が住んでいたところが彼の家の近くであったため、私はしょっちゅう夜でも彼のロフトに入り浸り、彼が書いている間、横で眺めているということをしていました。私の青春時代の一番の思い出ですね。彼のおかげで、様々な友人を紹介してもらう機会に恵まれました。ニューヨークにはこういう出会いがあるのです。

⭐️ニューヨークはゲイの楽園！

アメリカではゲイコミュニティのことを理解しなければ生きていくことはできないでしょう。アメリカのあらゆる分野にゲイの人たちは存在します。彼らを理解し、友人に持つことは自分の世界を広めることにもなります。日本ではまだまだなかなかこういうわけには行かないと思いますが、アメリカは実にLGBTに対しては寛容です。

⚡️私のスタジオは五番街の１９丁目にあったのですが、窓から五番街がはっきりと見える最高のロケーションでした。毎年行われるニューヨークのゲイパレード(New York City LGBT Pride March)はそれはそれはすごいイベントなのです。

まさにエンドレスなパレードが続きます。上から見ていると壮観です。警察や消防署、教職員などありとあらゆる分野のゲイ組織が参加します。この種のパレードとしては世界最大のものでしょう。このパレードを見ると、あなたのLGBTに対する考え方はきっと変わるでしょう。