アメリカ移住のデメリット|アメリカ移住で失うものは何なのだろう?

🇺🇸アメリカはいいことばかりではない!

生まれ育った日本を離れて異国に移住するというのはそう簡単なことではありません。今や日本は世界でも有数の先進国です。アメリカよりも進んでいる事柄も多々あると思います。どういうデメリットに直面しなくてはいけないのか、、、アメリカで長年住んで気づいた事柄を紹介してみたいと思います。

1️⃣ 医療制度

これがどうしても私にとっては一番気になるところでしたね。幸い健康体だったのであまり問題にはなりませんでしたが、周りの友人の中には苦労をしていた人間が少なからずいました。

ほとんどの方には日本を出て初めて感じることだと思うのですが、日本の医療制度は世界で一番かもしれません。そんなばかな、、、って思われるかもしれませんが、私にはそう思われる点も幾つかあります。

⭐まずは制度は別にして、日本では専門医に直接予約もなしに行けるということ。これが決定的に違うところなのです。日本では耳がおかしかったら耳鼻科、関節がおかしかったら整形外科、という具合にすぐに専門医に行けるわけですが、アメリカではそういうわけにはいきません。まずは何でも屋のお医者さんに会いに行って、専門医は通常全て予約制度になります。ホームドクター(何でも屋の医者)は広く浅くというのが原則なので、専門性はあまりありません。何もかも全て予約制度のこのシステムにはただただフラストレーションが溜まるばかりでした。

アメリカでは専門医にすぐに見てもらうということはなかなかできません。

予約は数週間から数ヶ月かかることもあるので、これはもう死活問題です。何週間も病院にも行かず自分でなんとかしようとすることも多々ありました。どうしようもなくて、救急病院に駆け込んだことが一度ありました。病院の費用も半端ではないので、通常の人はなかなか病院には行きません(行けません)。私は学生の時は日本からの1年間の旅行者保険に入っていました。毎年の更新となります。

医療保険に加入していない人が5000万人近くもいると言われる現状。保険料も半端ではないので加入するのは大変です。その人の健康状態や家族構成にもよりますが、家族四人で1ヶ月1000ドル以上払うのは不思議ではありません。持病持ちだともっとするでしょう。保険を持っていたとしてもただというわけではなく、かなりのお金を払う羽目になると思います。

私の周辺の人間はちょっとしたことでは病院に行かなかったように思います。金額も金額ですが、すぐに専門医にかかれないその煩わしさ、、。何かの機会に帰国した時に日本で治療をしてもらったという人の話も聞いたことがあります。私もそうでした。

移住を決意するということは、アメリカのシステムに沿って生活するしかないわけですから、病気の時はまずは何でも見てくれる医者に会うしか方法はないのです。

アメリカは世界最高の医療技術はありますが、その技術が全ての人に平等に与えられているかというと、かなり疑問に思えます。おそらく日本の健康保険が恋しくなる時が来ると思います。

2️⃣ 究極の競争社会

これはメリットのところでも述べましたが、デメリットとしての要素も十分に備えています。実力主義の競争の世界を夢見てアメリカに移住しようと考えた人にとっては何でもないでしょうが、競争社会の弊害も一応知っておく必要はあると思います。成功の反面、挫折を味わう人間が多数いるということです。

日本では大学を卒業すると当たり前のように就職しますが、アメリカではそうはいきません。アメリカでは人々は常によりいい条件の仕事を探しています。日本では履歴書にたくさんの会社の名前が乗っていると何か問題があるように思われる可能性もありますが、アメリカでは履歴書にたくさんの会社名が載っているのは通常のことです。

いつもみんなが仕事を探しているので、大学の新卒者なども仕事の経験者などと競争をしなくては行けません。何ができるか、どれだけの経験があるかによって判断されます。よって、大学の新卒者などは経験がないので仕事を探すのにとても苦労します。大学を出ると通常はインターンシップでどこかの会社に入り、数ヶ月を送ります。その期間が終わった時に、気に入られたものだけが本採用となります。そのパーセンテージは決して大きくありません。勤め始めても、力不足と判断されれば、予告なしにその日のうちにクビになります。

経験者でも会社の仕事が少なくなれば即クビになるケースも、、。たとえアイビーリーグのような超有名大学を出てても、自分の専攻が演劇やアートなどとなると卒業後の補償など何もありません。ニューヨークのブロードウェイなどにはそのような若者が無数にいます。みんなバイトをしながらチャンスを夢見ているのです。

⭐競争はアメリカに入った瞬間から始まっています。そして一生続きます!
⚡決してフェアではない局面もあることを言っておきます!

人々は常に仕事を探しているので、どの会社にも履歴書で溢れています。現在はネットの社会なので、膨大は履歴書は瞬時に判断され、落とされることも多々あるでしょう。面接の予約が取れたとしても、すぐに採用というわけにはいきません。とにかく厳しいです。

履歴書に事実と異なる内容を書かれる可能性もありますし、会社側としても膨大な履歴書を的確に判断することは至難の技です。よって、すでに会社に勤めている人に「いい人はいないか?」といったようなことになることがあるのも事実です。かえって内輪で人を探すというようなことも十分にありえます。私はそういうシーンを見てきました。

⭐あなたはこのプレッシャーにずっと耐えることができますか? このプレッシャーを人生の糧と捉えることができますか? できる方には最高の舞台が待っています。

3️⃣ 銃社会と治安の悪さ

いつでもどこでも平気で歩ける日本の治安の良さはもしかしたら世界一かもしれません。同じ感覚でアメリカの街で行動するのは現実的ではありません。あなたは世界一安全な国を離れて、治安の悪い国に移るという現実です。

私は長年アメリカに住みましたが、幸いなことに外で痛い目にあったことはありませんでした。でも、友人の中には路上で強姦に殴られて数ヶ月入院したものもいます。家の中に泥棒に入られたものもいます。銃で脅されたものもいます。

大事なことは、常に360度警戒をするということ、気を抜かないということです。それと旅行者のように不安そうに歩かないことです。

🌗アメリカは素晴らしい国ですが、いろいろな人間がいるという現実は変わりませんし、いつも気をつけて人と付き合うことが大事です。

◇私がロサンゼルスからニューヨークに戻ってきた時、持っていた車を売ろうとしたのですが、その時の出来事がその後のアメリカでの生活に大きな影響を与えました。ニューヨークの新聞に広告を出し、その後電話でのやり取りの末、購入希望の男がやってきました。お父さんも連れてきたので一見信用できそうな男に思ってしまいました。合意していた金額を受け取ろうとして時、彼は約束の金額の3分の2ほどの金額しか出しませんでした。後日渡すと言われたのです。

アメリカに来てまだ2年ちょっと、大学での生活しか知らなかった私は、その男を信用してしまい車を渡してしまいました。そのあと、その男は残金を私に払うことはありませんでした。私は裁判所にも訴え、勝訴しましたが、結局拘束力がないのでお金を手に入れることはできませんでした。

🔥多民族国家のアメリカでは安易に人を信用してはいけないということです!これは教訓です!

◇アメリカに最初に留学したコーネル大学でも私の製図台の置いてあった部屋に、日本から持ってきたステレオカセットレコーダーを置いてあったのですが、見事に盗まれました。コーネル大学はアメリカ屈指の大学の1つですし、そういうことはないだろうという安易な考えがあったことは間違いありません。とにかくアメリカでは何事に関しても、安易に信用せず、疑問に思うことが大事かと思います。いつも要注意の精神ですね。

🔫テロの驚異も日本にはない感覚ですね。日本でも様々なテロは現実起こっていますし、100%安全というわけではありません。しかし、アメリカの比ではないですね。2001のナインイレブンの出来事がその最たるものですね。学校での銃乱射も起こっています。日常的にこれらのことに関して気を使わなくてはならないことは事実です。

4️⃣ 学費の高さ

アメリカでは世界最高水準の教育を受けられるチャンスがあることは事実です。しかし、一部の人間に限られていることも事実です。

15歳レベルでの全世界の教育レベルの比較を見ると、下記のようになります。

科学 読解力 数学
日本 2位 8位 5位
アメリカ 25位 23位 39位
カナダ 7位 2位 10位

これは15歳でのレベルですが、アメリカの平均的な学力レベルのなさは顕著です。では、それでもなぜアメリカは世界最高の科学力を保持しているのでしょうか。それは限られた人たちの大学、大学院レベルでの教育のレベルの高さにあると思います。そして、世界中からの留学生の力が関係していることも間違いありません。世界中から優秀な頭脳を集めるという構図は建国以来変わりがありません。

残念ながら、優秀な大学の授業料は天文学的な金額です。アメリカ人であれば、州立大学であれば結構安くなりますが、アイビーリーグなどの私立はそういうわけにはいきません。奨学金制度があるとはいえ、全ての人がもらえるわけではありません。

大学一年生で、年間4万ドル以上の授業料。寮費や生活費、交通費、雑費などを入れると年間7万ドル以上のお金が必要になります。お金持ちでないといい大学にはいけないということです。頭があってもお金のない生徒は学生ローンなどに頼る人もいますが、卒業時に借金が2000万円なんていう人も、、、。一生をかけて返済していくわけですが、そう簡単に仕事が見つかるわけでもないので、若くして破産などという生徒もいます。

私は大学院で留学したので、TA (teaching assistant) という仕事をやって、授業料を部分的に免除にしてもらいました。なかなか普通の日本人には捻出できない金額ではないでしょうか。

とにかくアメリカのいい大学は高すぎます。お金持ちであればいいですが、アメリカで子供を大学にまで行かせるのに一体いくらのお金が必要なのか、、、住んでいればとても心配になってきます。

🍁カナダはご覧のように15歳レベルでは日本と同じような学力を持っていることが証明されています。カナダの大学はほとんど全て公立ですし、アメリカに比べればかなり良心的です。大学の教育レベルもアメリカに引けを取りません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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