カナダとアメリカが統合する上での制度面の障壁について!

アメリカ

カナダとアメリカは別物!

カナダとアメリカがどれだけ違うか、、というのは住んでみれば分かります。

私はアメリカとカナダで永住権を取りました。かなり両国の違いについては知っているつもりです。先日両国の統合に関する記事を書きましたが、詳細をいろいろ考えてみましょう。

カナダとアメリカが統合し、仮に「51番目の州」となることを想定すると、最大の障壁は制度面の根本的な違いにあります。

憲法と国家構造

アメリカは大統領制の共和国ですが、カナダは英国王を元首とする立憲君主制であり、議院内閣制を採用しています。統合にはどちらの政治体制を採用するのかという根本問題が生じ、カナダ側では事実上の憲法体制の全面変更が必要になります。

どちらを採用するかというのは事実上解決は不可能だと私は思います。たとえアメリカの一部になったとして、高度な自治を与え、精度を変えず、事実上半独立国家のような手段しかないでしょう。

次に連邦制度の仕組みです。両国とも連邦国家ですが、権限配分の考え方が異なります。カナダは連邦政府の権限が比較的強く、州の制度も統一性が高い一方、アメリカは州の自治権が非常に強く、法律や政策のばらつきが大きいです。統合すれば、州権限の範囲や財政分担を全面的に再設計する必要があります。

社会制度の違い

カナダは全国民対象の公的医療制度を持つ福祉国家的モデルですが、アメリカは民間保険中心の仕組みです。統合すると、医療制度をどちらに合わせるかという極めて大きな政治問題が発生します。同様に、銃規制、労働法、社会保障、教育制度などでも両国の考え方は大きく異なります。

医療保険はまさにカナダの代名詞のようなものですね。カナダでは消費税の一部が医療に向けられます。カナダに住んでいる人間は病院に行っても一銭もお金を払いません。アメリカとは大きな違いです。カナダの医療制度を目当てに毎年かなりのアメリカ人がカナダに移住しているとも言われています。

もちろん、ただであることは全てが薔薇色というわけではありません。診療に予約があってかなり待たされたり、薬は保険の対象でもありません。でも、住人は保険料も各々払いませんし、それでいて治療費は無料です。これは大きいです。福祉国家のカナダが何もないアメリカのシステムを取り入れるとは思えません。

司法制度と法体系

アメリカは連邦憲法を基盤とする判例法中心ですが、カナダは英国法の影響が強く、ケベック州では大陸法系の民法が使われています。統合には法体系の調整という膨大な作業が必要になります。

そうなんですね、、カナダにはケベック州があります。フランス語が言語でカナダの中でも高度な自治を与えられており、ケベック州に移民しようと思うと、まずケベック州に申請しなくてはなりません。そこでOKをもらってやっとカナダ政府に移民の申請ができます。

この複雑さをトランプ政権は理解しているようには思えません。

言語制度

カナダは英仏二言語国家であり、特にケベック州の言語・文化保護は憲法上の核心です。アメリカには公用語の憲法規定がなく、この問題は政治的に極めて敏感です。

フランス系カナダ人の結束は非常に強く、ケベック州で生きていくにはフランス語はMUSTです。フランス語を尊重することがますます進められています。ケベック州ではほとんどの地域でフランス語が使われ、英語だけを喋る人たちはモントリオールの街の西側の一部に限定されていると言っていいでしょう。

ケベック州の街は実にヨーロッパ的で北米にあるとは思えません。

総じて、政治体制、社会制度、法体系、言語制度という国家の基盤に関わる違いが多く、統合には憲法改正を含む巨大な制度再設計が不可避であり、すぐにアメリカの一部になるというのは絶対に不可能だと思います。

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