砂漠のオアシスはトイレだった|林の中は別世界だった・うんこだらけ

砂丘での究極の撮影!

今回は、私の数ある「うんこ」エピソードの中でも特にユニークなものをご紹介したいと思います。

📷ここはオーストラリアのシドニーの北150kmほどのところにある広大な砂丘です。日本では鳥取砂丘が有名ですが、ここの砂丘はゆうに倍以上はあるでしょう。幅2kmほど、長さは30km以上あるでしょうか。まさにオーストラリアサイズですね。

海際の砂丘でありながら、一度中に入ってしまうとまさにサハラ砂漠にいるような感覚です。どちらに行っていいのか分からなくなってしまいます。それほど雄大です。

車も特殊な車でないと全く進めません。十分な準備をしないといけないような規模です。

私たちはあるプロジェクトの撮影をしていましたが。その中で一つだけクリスマスの雪のシーンがありました。夏のオーストラリアで雪景色は望めません。そこでスタッフが考えたのが砂漠の砂を雪に見立てて撮るということです。多少の後処理をすればほとんど雪にしか見えないだろうというアイディアでした。

🌴周到な準備の末、我々は大きなクリスマスツリーを砂丘のど真ん中に設営しました。どこから見ても雪の丘に立つクリスマスツリーにしか見えませんでした。モデルやスタッフ全ての準備が整った時に私の例のやつが襲ってきたのです。いつもの下痢です!

私のお腹の下痢は容赦なく急激に襲ってきます。いつも大事な時に襲ってくるのが私の人生だったのです。テストの最中、仕事のプレゼンの時、デートの途中、などなどです。これから一番大事だという時に必ず襲ってくるのです。

私が撮影中にこの症状に襲われることは多々あったのです。ただ、スタジオ撮影や都会の中であれば必ずと言っていいほどどこか近くにトイレはあったのです。トイレが身近にあることによって私のお腹は安堵し撮影に集中することができたのです。

でも、ここの砂丘の状況は今までで最悪の状況でした。

数十人のスタッフ、立派なセット、様々な撮影機材、モデルのメイク着付けなど全てが準備万端という時にこの有様です。通常であるならばこういう場所では必ずと言っていいほどロケバスが待機していました。トイレやキッチンなども完備した素晴らしいトレーラーのようなものなのですが、この砂丘の中に持ってくることはできなかったのです。

夏の砂丘は猛烈な暑さになります。それと同時に猛烈な反射光で目をまともに開けることもできないわけです。我々は早朝の数時間に勝負をかけることにしていたわけです。砂丘での滞在時間はよくて数時間です。その数時間のうちに現場に全てのスタッフやセット、クリスマスツリー、モデルを運び入れ設営をし、撮影を完了しなくてはいけないわけです。まさに1分たりとも無駄にはできません。

そんな時にこの下痢です。いつもであればすぐにトイレに駆け込んでそれで終わりですが、ここは砂丘のど真ん中です。みんな数時間はトイレを我慢する覚悟できていたわけです。

🏃私はここである決断をしなくてはなりませんでした。私の我慢はほとんど限界に達していました。このままでは撮影に入ることが不可能であると決断する以外になかったのです。こりゃダメだ!

撮影には数百万のお金がかかっています。その全てをパーにしてしまうのか、、。そう思った時撮影現場から数百メートルの所に林に囲まれたオアシスのようなところが目に入りました。まさに砂漠に中のオアシスですね。なぜこんな砂だらけの中に立派な林が存在するのか分かりませんが、現場から見ると実に美しい光景でした。

みんなの前で「うんこ」を爆発させるわけにはいきません。こうなってくると、もう仕事どころではありません。生きるか死ぬかの心境です。私は決断しました。もうだめ!

ディレクターに急遽相談したのです。彼曰く「行ってこい!」

私は走りました! 必死で走りましたオアシスめがけて!  

これでもう首かな? なんてことも頭をよぎったことも確かです。ただ、走ることに夢中だったのですが、悲しいかなここは砂漠のど真ん中です。足を動かすごとに10センチほどは砂にめり込んでしまいます。もう必死!

オアシスまでは数百メートルはあったと思います。必死でたどり着いたそこで見た光景は一生忘れることのできないものとなりました。オアシスの直径は50メートルほどでしょうか、林の中に入った瞬間私が見たものは!

木々の枝にかけられた無数のトイレットペーパー!

みんな考えることは同じなんですね。この砂丘にいったん入ったらトイレなんてないんです。このオアシスはトイレと化していたんですね。いたるところでトイレットペーパーが風になびいていました。なんという光景か!

考えてみると私はティシューを持ってくる余裕もなかったのです。

私は枝にかけてあるトイレットペーパーのロールを一つ取り、青空の下なすべきことをしたのです。あの時の心地よさは一生忘れられません。またしても間一髪セーフでした。一体私は一生のうちで何回こういうことを経験するのでしょうか。

🎥ゆっくりトイレに時間を使っている余裕があるはずもなく、私は数十人のスタッフの待つ現場に帰って行ったのです。現場に帰った時はもうヘトヘト、、、でもそこは私もプロです。余計なものを排除した後は絶好調でしたね。今までになかった大急ぎの撮影を無事終えたのです。実際に撮影できた時間は10分ほどしかなかったと思います。撤収のときにはあたりは灼熱の世界になっていました。でも出来栄えは最高でした。

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