五輪マラソンはどこへ?|札幌に決定!|小池知事もしぶしぶ同意!

五輪マラソンはどこへ?

🏃何とも奇体な議論が盛り上がった。既に一年を切った東京五輪のある競技を何処でやるか、俄にあやふやになってきたのだ。五輪の華、マラソンだ。東京主宰の東京五輪だから当然東京で、と準備万端整いつつある最中(さなか)、IOCから札幌にするとのお達しだ。さてこの話、どう折り合いがつくのか、前例のない五輪マラソン・コースのドタキャン騒ぎだ。

今年の夏は滅法暑かった。東京もご多分に漏れず歴史的な酷暑、いま思い出しても汗が噴き出るほどだ。折角の五輪だ、もっと涼しくなってからやったらいいのにと、巷でも噂されるほだったが、どうやらIOCもその辺りの事情に通じていたらしい。

IOCのコーツ調整委員長が急遽来日、小池東京都知事に談じ込んだ。マラソンと競歩を札幌に移したい、すでに理事会で決めたことで東京はない、と待ったなしの談判だ。聞いた小池知事はこの唐突な話に、「準備を進めてきた地元の気持をないがしろにできない」として、改めて東京での実施を主張した。

🏃IOC側の考えはこうだ。暑さの厳しいドーハ(カタール)での陸上世界選手権でマラソンで完走できなかった選手が続出した事態を重く見て、東京五輪で同じ状況が起きるのを避けたい、東京より気温が低い札幌に変更したい。

東京都では17日〜29日までに1425件の電話やメールを受けたそうで、そのうち909件がこの問題への都民の意見だったという。うち札幌への変更に賛成の意見は89件で、820件は反対(90%)だった。反対意見は、東京でマラソンを見たい、札幌に変更すると都の税金やテスト大会が無駄になる、などがあった。

都は今月22、23日に都民2060人を対象にネット上でアンケート調査もしている。

「マラソンと競歩の会場を東京から札幌に変更することを、どう思うか」の問いに:

○「賛成」が732人、
▽「どちらでもない」が670人、
●「反対」が658人
と云ふ結果で「賛成」が35.5%と「反対」を上回った。

また、唐突な会場変更に関するプロセスについては「妥当ではない」という回答が1566人と、全体の76%にのぼった。

🏃東京五輪のマラソンと競歩の競技では猛烈な暑さが懸念されるため、東京都では選手や観客向けの暑さ対策に取り組んできた。コース路上の表面温度を下げる「遮熱性舗装」の整備来年の大会までに完了する予定で、すでに7月末の時点でマラソンのコースとして使う東京都道の約8割で整備が終わっているという。ほかに、コースに日陰を増やそうと沿道の街路樹の枝や葉の部分を大きく育てる剪定上の取り組みも進んでいる。

それだけではない。都は沿道の観客に涼気を提供するために、クーラー付きの休憩所や霧状のミストを噴射する装置を設けるほか、保冷剤など冷やすことができるグッズを配るなど、きめ細かい対策を検討してきているわけだ。

こうした暑さ対策は、医療などの面でIOCの専門家のアドバイスを受けつつ、組織委員会とも連携して進めてきたということで、今月3日の時点でIOCのバッハ会長も、こうした東京の暑さ対策の取り組みを評価していたのだから話はややこしい。

🏃さて、いっときはIOCと主催都市東京都の間がぎくしゃくするかと懸念されたが、今日11月1日、注目のIOCの調整委員会で急転決着した。東京都側が「合意しないが妨げない」との玉虫色的決断で、マラソンと競歩の札幌開催が決定した。会場変更に決定権を持つIOCの意向が通ったことになる。

コーツ調整委員長は、関係者の協力を謝し、引き続き引き続きワンチームとして大会の成功に向けて努力したい、と語った。

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