消費税10パーセント導入が日本に与える影響について|使い道が問題

消費税が上がったよ!

上げるか据え置くかですったもんだした消費税、やっぱり上がりました。とうとう二桁に載せたかな、という実感です。消費税をめぐる駆け引きは常に政局を左右する爆弾《、、》でしたから、安倍政権はガラス細工を扱うように10%上げを画策、何とか仕上げたという処です。

消費税をめぐる余話は多い。そもそも消費税の前身、売上税を中曽根内閣が法案提出したのが1987年、これが総すかんを食って廃案になったのが始まりです。翌年末に消費税法が成立、そのまた翌年1989年4月に時の竹下内閣がこれを施行、この時の税率は3%でした。その直後のリクルート事件の影響で竹下首相は退陣表明、2ヶ月後の6月に辞任しました。巷では竹下さんは消費税と差し違えで政権を失ったと云われたものです。

後を継いだ細川内閣の挙動《、、》が面白い。竹下さんの末路を教訓にしてか、細川さんは危なっかしい消費税を廃止、税率7%の国民福祉税の構想を発表しました。それが連立政権の悲しさ、足並みが乱れて発表翌日に撤回という茶番劇に終わったのです。

1994年11月、村山内閣は消費税率を5%に引き上げました。2009年、「消費税は4年間あげない」というマニフェストで民主党が政権奪取を実現して鳩山内閣が誕生。翌2010年、どう血迷ったか菅内閣が参院選挙直前に「消費税10%」とぶち上げて選挙に惨敗します。そこで野田内閣が段階的な消費税率アップを狙って、2014年に8%、15年に10%という二段構えの税率アップの法案を提出する。これが2012年6月のことです。

2014年4月に先ず8%に引き上げた。予定通りです。しかし消費税は魔物、野田内閣は11月になって、10%に上げる第二段階を15年10月から17年4月に1年半延期することを決めたのです。これが安倍内閣が引き継いだ時点での消費税環境です。

その後の経緯はみなさんご存知の通り、軽減税率とポイント還元というややこしいフリルが付いて、ダブル税率の新しい消費税はあちこちで悲喜劇を起こしている。8%のままでいいもの、10%に上がるもの、その場で食べたら10%、持ち帰りなら8%などなど。スーパーなどには8%のうちに仕込んでおこうという消費者が列を作り、8%と10%の仕分けシール貼りに天手古舞いする小売店など、10月1日の税率アップを前に9月30日は日本中が「消費税騒ぎ」で明け暮れました。大騒ぎして上げた消費税、さて上がる税金を何にどう使うか、That is the question.

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