カナダの医療制度
カナダの医療制度は一見素晴らしいですが、落とし穴がいくつもあります。まあ、それでも何もないようなアメリカと比べるとその差は歴然ですが。。。。
毎年1万人ほどのアメリカ人がカナダに移住していますが、中にはカナダの健康保険制度に魅力を感じた人がいても不思議ではないと思います。
カナダの医療制度は「ユニバーサル・ヘルスケア」
カナダは公的医療保険制度です。原則として国民・永住者は誰でも医療を受けられる仕組みです。日本と同じく「皆保険」ですが、運用の仕組みには大きな違いがあります。
制度の基本構造
カナダでは連邦政府が大枠を定め、実際の運営は各州が担っています。州ごとに名称や細かなルールは異なるので、行く場所の制度は自分で調べる必要があります。
しかし、基本的な医療サービス(診察・入院・手術など)は公費でカバーされ、受診時に自己負担はほぼゼロです。ゼロと聞くとびっくりですが、落とし穴もあります。
財源
医療費は主に税金で賄われているので、日本のように毎月の保険料を明確に支払う感覚は弱く、所得税や消費税の形で広く負担しています。そのため「無料に見える医療」が実現しています。
私はアメリカとカナダで永住権を取得しましたが、カナダに住んでびっくりしたことの一つはこれですね。保険料は消費税などでカバーしているので、毎月何も払いません。これは大きいですね。
問題点はカバー範囲の制限です。
これがくせものなんです。
公的保険が対象とするのは主に「必要不可欠な医療」に限られます。保険がカバーしないものが多すぎます。
以下は原則対象外
⭕️ 歯科治療
⭕️ 処方薬(外来)
⭕️ 眼科(眼鏡・コンタクト)
⭕️ リハビリや民間サービス
これらは民間保険や自己負担で賄う必要があります。多くの人は勤務先の福利厚生として民間保険に加入しますが、個人でやってる人や、フリーでやっている人、アーチストなどはみんな苦労しています。結局別の民間保険に入る必要があるのです。
待ち時間の問題
これがまたまたすごい問題なんですね。この方がきついかも知れません。
医療費が無料に近い反面、専門医の診察や手術には数週間〜数か月待つこともあり、「アクセスの遅さ」が課題とされています。緊急性の高い治療は優先されますが、それ以外は馬鹿馬鹿しいほど待たされるのが現状です。
とにかく専門医に辿り着けない
私は機会があるたびに言っていることですが、アメリカ、カナダではそうたやすく専門医に辿り着けません。向こうの専門医は何か特殊な聖域にいるように思えます。
日本では家を出ればそこらじゅうにさまざまな専門医が存在します。ほとんど予約なしで、内科・外科・整形外科・眼科・歯科・皮膚科などなどなんでも行くことができます。すぐに治療もしてもらえますが、海外ではそうはいきません。
アメリカやカナダは僕は大好きですが、この制度に関しては馬鹿馬鹿しいと言わざるを得ません。日本では最初から専門医にかかるのが当たり前になっていますが、海外は真逆です。海外に出て病気になった時、すぐに専門医にかかれないというのがとてつもなく大きな問題となると思います。
アメリカ・カナダではかかりつけ医制度(ファミリードクター)が重視されており、まず家庭医を受診し、必要に応じて専門医を紹介される仕組みです。直接専門医に行くことは基本的にできません。
この紹介制度が問題です。まず、自分のファミリードクターを見つけるのも至難の業です。かなりの医者はもうすでに何人も患者を抱えているので、そう簡単にファミリードクターにはなってくれません。なってくれたとしても、そのドクターの技量や人間性などは分かりません。
ファミリードクターがあったとしても、まず、そのドクターに会うのに予約がいります。通常1〜3週間はかかります。そして、診察してもらい、専門医にかかるのに予約をします。通常はその専門医がすることもありますし、自分でしなければならないこともあります。
そして、専門医に会うのに通常数週間から数ヵ月かかります。冗談のような話ですが、アポに一年以上かかることもあります。まさに地獄のような制度です。馬鹿馬鹿しいです。
自分の例
本当に笑い話のような話ですが・・・私の例を一つ。
ある時、四十肩のように肩が痛烈に痛くなりました。日本であれば、次の日の朝イチで整形外科をアポなしで訪れ、注射や電気治療、薬などを処方してもらい、リーズナブルな金額ですぐに治療してもらえます。
カナダでは私の場合、整形外科の専門医にかかるのに3ヵ月かかりました。やっと会いに行った時、治療は5分もかからず、注射が必要だねと言われました。すぐに注射をやってもらえると思った自分ですが、医者はこちらを馬鹿にしたような顔をして、イヤイヤ、、、注射をするにはまたアポを取ってくれと言われました。嘘でしょう・・・・という感じで私は抗議をしたのですが、カナダではそういうシステムだと言われると返す言葉がありません。嫌なら帰って下さいという感じです。
結局のところ、注射一本打ってもらうのにまた3ヵ月待たされました。注射一本してもらうのに、ファミリードクターも加えると、7ヵ月ほどかかりました。日本では1日で済むところが7ヵ月です。いくら治療代が無料だといってもこれでは最悪です。
私に言わせると、このシステムはもう崩壊しています。7ヵ月も痛いままで我慢するしかないのです。薬局に行って、処方箋もないので、市販で買える薬でしのぐ以外ありません。実際のところ、こちらではどうにもならないので、わざわざ日本に帰ってやったという人を何人も見ています。
海外に行けば覚悟が必要
海外に行きたいと思っている方は、これに関して覚悟が必要です。日本を一歩出れば日本で受けていたような医療サービスは存在しません。何か持病がある方は、十分に研究し、対策をしてから行く必要があります。

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