昭和天皇ゆかりの桜、台湾から日本へ「里帰り」|新日度はますます!

昭和天皇ゆかりの桜、台湾から「里帰り」

🌸卓球の「愛ちゃん」こと福原愛さんが縁付いた国、いや親日の国として多くの人が馴染んでいる台湾が、更に一歩日本への親愛感を示してくれる。即位の礼を祝って昭和天皇ゆかりの桜を里帰りさせたい、と云うのだ。何と心を打つジェチュアだろう。そのために「桜里帰りの会」という組織が生まれたというから、台湾の親日度はますます高まる。

かつて半世紀にわたって日本の統治下にあった台湾には、いまでも日本が残した遺産と伝統が息づいており、台湾の人びとは際立って日本びいきだ。たしかに台湾の農業は日本が残した治水資源が活きて安定したし、道路や鉄道などインフラは日本が整えた基礎があっての資産だ。だから、日本時代を懐かしむ台湾の人びとは日本歌謡をこよなく愛し、カラオケでは日本の流行り唄が溢れている。

🌸折から、日本は天皇陛下ご即位の礼を控えて祝賀ムードで沸いている。台湾として祝いの気持を表したいとの思いが一つの企画に結びついた。昭和天皇が皇太子のころ、台湾行啓の記念に植えられた桜や竹、ガジュマルの苗木を日本に里帰りさせようというアイデアだ。

台湾側は李登輝元総統夫人の曽文恵氏を名誉会長に戴き「桜里帰りの会」が立ち上げられた。会長は李登輝時代に政務委員(閣僚)などの要職を歴任した黄石城元行政院政務委員(元閣僚)、日本側は安倍晋三首相のご母堂で書家としても知られる安倍洋子氏が名誉会長についた。話はとんとんと進み10月19日に目録贈呈の行事が行われた。東京の明治記念館での贈呈式には、黄石城さんから安倍洋子さんに目録が渡された。

「台湾で大事に育てられた桜の里帰りを通じて、22日に行われる即位の礼を祝う私たちの気持ちを表したい」。

黄さんの挨拶に安倍さんは満面笑みで応じられた。

「この桜が見事に成長し、日本と台湾の関係がますます発展することを祈念します」。

目録贈呈式に駆けつけた台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使に相当)の謝長廷さんは、

🌸「台湾と日本は心で結ばれているパートナーだ」

と挨拶、桜の里帰りを熱烈に歓迎された。贈呈式には日本と台湾の政財界関係者ら約50人が出席した。

当時の皇太子裕仁親王が台湾を訪問されたのは1923年(大正12年)4月、台湾の人々は親王を歓迎するため、ご宿泊先の近くに桜を植えた、このほど里帰りするのはその桜の苗木だ。竹とガジュマルは、親王が屏東と台南を訪れたときご自分で植樹されたものだ。

天皇陛下のご即位を祝うこの「里帰り企画」はこの夏に発起されたもので、それ以来台湾政財界の知日派が中心となって「桜里帰りの会」を結成、寄贈計画を進めてきた。

苗木の搬入にはは植物検疫の手続きが必要で、実際の搬入は来年の予定だ。「桜里帰りの会」では、苗木は日本各地の昭和天皇や皇室にゆかりの深い地に植えたいとしている。

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